2006年09月03日

ソーシャル・アドバタイジング(ベータ版)

最近どうも「ソーシャル」という言葉が気になる。
ソーシャル・ネットワーク(SNS)、ソーシャル・ブックマーク。
ソーシャル・エンジニアリングという詐欺の手法もあるらしい。

それで、仮に「ソーシャル・アドバタイジング」というものがあるとすると
それは何なのか、ということを優雅な日曜日の午後に紅茶を飲む(ような気分)で考えた。

結論としては、「それっていわゆるクチコミじゃん?」だった。
どうやらこの手のサービスに「ソーシャル」とつくのは、いままで個人的・局所的な
情報だったものを、社会化(=Web上で共有)することという意味で
ソーシャルと名づけているようなのだ。
それでいうと、ソーシャル・アドバタイジングはクチコミということになる。
ただ、クチコミをソーシャル・アドバタイジングと捉えなおすと、いくつか
見えてくる真実というか、方法論があるような気がする。

(1)コンテンツは「みんなの反応情報」。提供すべきは「ネタ」。
(2)不特定多数(マス)に投下しては「いけない」。
(3)一定の規模になると、キャズム(溝)が訪れる。マスをやるならそのタイミング。

(1)について。クチコミがひとつの反応である以上、反応をいかに生み出すかが
一番重要なことになる。だから、供給者側からのメッセージとして完結
してしまうものは、クチコミとしては失敗になる。どんなによいコピーであってもだ。
2ちゃんねる的にいうと「誰がうまいこと言えとw」となる。
そういう意味で言うと、元ネタはあまり重要でさえなく、いかによい反応を
導けるのか、ということが重要だ。コンテンツはむしろ「反応」で、
いい反応があると、それがひとつのコンテンツになって広がる、という仕組みなのだろうか。

(2)はあたりまえの事にみえるが、ひとつのポイントがある。
従来クチコミを捉えるときの文脈は、「自然に広がっていくものだから、
大量投下する必要がなくて、よい。経済的。」といった認識があった。
でも実はそうではなくて、大量投下することはむしろ悪、失敗をもたらすと考えるべきなのだ。
いわゆるクチコミの際には、見た(聞いた)人が「限られた人しか知らない」
と思うことが重要だ。「ココだけの話」効果とでもいおうか。
これが「皆さんご存知の通り(=マス)」ということになると、人に伝える
モチベーションが下がり、かつ、そんな大きな話題に対して個人的に反応する気が落ちる。
だから、むしろ「マス投下してはいけない」ということになるのではないか。

(3)に関しては、最近思うことで、どれだけ広がっても、クチコミは
クチコミでしかないんじゃないか、ということである。
広告主の規模によるのだが、いくらWeb上で話題になっても、どうしても
アクティブユーザー内での内輪ネタ、という印象がぬぐえない場合がある。
Web上での到達臨界点(キャズム)のようなところに達してしまうのである。
この辺が、大手代理店人がWebを軽視する傾向の元になっている気もする。
タイミングが難しいと思うのだが、Web上の評判からリアルに広げていくには、
(今のところは)「マス」が有効な場合がある気がしている。
マスによって、キャズムを超え、Web上の評判はリアルの評判になる…かもしれない。
もちろんそうするとWeb上では「終わった」扱いされるのであって、
それが嫌ならWeb上だけで続けていくという選択肢もあるのだろう。

この公式をうまくたどったのは、ちょっと古いが「電車男」だと思われる。
しかし、ソーシャルということで考えると、Webで共有するモチベーションを作るのは難しい。
いまのところ、「強烈に面白い・変だ」か「役に立つ」というモチベーションがほとんどだ。
それ以外のモチベーションも育てていかないと、ソーシャルアドバタイジングは難しそうだ。

koukokugyokai at 01:16 │Comments(2)TrackBack(0)

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この記事へのコメント

1. Posted by momo    2006年09月05日 01:08
「クチコミ」と呼ばれる「ゴシップ」をうまく利用するのは、かなり高いスキルが必要で、これは広告宣伝よりも広報の領域に近い気がします。
また、ゴシップが強い力を発揮するのは「悪いニュース」の場合なのでポジティブな広告宣伝に有効なのか?・・・とも思います。

どうなんでしょう。
2. Posted by 著者    2006年09月06日 01:02
クチコミになるのは、ゴシップに限らないのではないでしょうか。たとえばこれ。ナイキのビデオです。
http://www.youtube.com/watch?v=w891tt4OkYc

ただ、クチコミに関しては購買につながるのかどうかという問題はあると思います。クチコミされやすい情報は、話題になりやすいというだけであって、購買に結びつくとは限らないと思いますので…

ちなみに既存のいわゆる「広報」に関しては、企業の厳密なコントロール下にあり続けることを前提とすると、かなり自由度に難があり、工夫が必要かと思われます。

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