2007年01月08日

宣伝部はナンパの厳しさを知っているか

正月は実家でテレビ三昧でした。
普段もテレビCMは見ていますけど、テレビをずっと見てたので
それだけにCMもたくさん見たわけです。

そこで気になった・・・というか、怒りがわいてきたので書きます。
宣伝担当者はナンパをしたことがあるのか!あるいは逆ナンをしたことがあるのか!
そっけなく無視される現実のつらさを知っているか(笑)!

えーと詳しく書きますと・・・
ほとんどのTVCMが説明口調なんですよ。商品の説明をずっとしてる。つまんない。
なんか最近、その傾向がどんどん増しているように感じます。

TVCMを打つということは、
「群衆の中で声を張り上げてナンパをするに等しい」ということです。
自分になんかまったく興味もない、別の目的で行動中の人たちを
振り向かせるということだと思います。

いや、ナンパの例えはよくないかもしれません。どちらかというとキャッチに近いかな。
いずれにしろ、一番難しいのは「振り向いて足を止めてもらうこと」です。
ナンパもキャッチも過去に何度も何度も失敗した(笑)身としてわかります。

例えばキャッチで、お店の価格とか内容を(つまり説明を)だらだらしてても
だめなんです。もちろん来る人は来ますけど、打率が低すぎる。
興味のない人を振り返らす方法はいくつかありますけど、例えば飲食店だとしたら、
(1)「6時ですよお腹すきましたよね!!!」とやる。
(2)「本日限りの牡蠣が100セットサービス中です!!!」とやる。
(3)「そこの赤いスカートが似合いまくってる人!!!」とやる。
(4)すごくかわいい子に呼び込みを変わってもらう。

(1)はインサイト。商品と人々との接点を探す。(2)は一番強いポイント訴求。
(3)は個人攻撃です。個人に語ったほうが響く場合が多いです。
(4)は言ってみればタレント攻撃、発言者の注目度で勝負します。

どれもこれも、どうやって振り向いてもらうかの問題で、説明は二の次です。
振り向いてもらえれば、あるいは覚えてもらえれば、その後は難しくない、
というか、あとはOKかNGかそれしかないので単純なんです。
でも、振り向いてもらうことが絶望的に難しい。

佐藤可士和氏もインタビューで似たようなことを話しています。
「本当に広告は基本見てもらえないと思っている。」と佐藤は言い切る。何かと忙しい現代人。駅に貼られるポスターも見てもらえて1、2秒だ。広告をはじめ大量の情報に取り囲まれるなかで、人々はその情報に対してバリアを張る。そもそも関心のない人に、バリアをやぶって飛び込んでいくような人の心に届く広告や商品をつくることは、非常に難しいと佐藤はいつも自戒し、デザインに取り組んでいる。(プロフェッショナル−仕事の流儀
Web時代のCMで重要なことは「詳しくはWebで」ということじゃありません。
Webに連続するコンテンツを開発することでもありません。
Webもあるんだから、よりTVCMはTVとしての役割に集中しろということ。
そして、TVCMは過ぎ行く群衆への声なのだから、とにかく覚えてもらう、
振り向いてもらうのだということ。

宣伝部の新人研修は渋谷に出てキャッチというのもいいかもしれません。
群衆がいかに冷淡で怖いものか、ということがわかるいい機会だと思います。

koukokugyokai at 01:13 │Comments(8)TrackBack(3)

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INTER-GATE編集部です。あけましておめでとうございます。今年もよろしくお...
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3. 「NO1」が、そんなにいいのか?・・・  [ マーケティング・リサーチの寺子屋 ]   2007年01月10日 04:56
広告βさんは、最近のCMについて、つぎのように書いています。ほとんどのTVCMが

この記事へのコメント

1. Posted by koma    2007年01月08日 18:29
初投稿、失礼します。
いつも興味深く拝見させて頂いております。

毎朝新聞にはさまった大量のちらしを見て、「ダメ、これもいらない、つまんない、ダメ!」って、マッハスピードで選別しているクセに、いざ自分を表現するチャンスが与えられると、多くを語りたがって冗長になってしまう。

こんな矛盾を抱えた広告志望の学生です。

私も「続きはWebで」のアタリマエ化に激しく違和感を覚えています。私の中では、テレビは「テレビ君」です。ワンルームで常に見える場所に置いてあり、私はテレビ君から様々な情報を紹介されるのです。もはや家族の一員。物言うインテリア。

そんな”彼”が、情報を事細かに伝えることや、”Web君”の発言を聞かせることを促しても、仕方ないんですね。母親に「父親の話もよろしく」と毎日言われたらウンザリしてしまいます。

テレビの存在感の変遷が、楽しみです。
2. Posted by moon    2007年01月08日 21:25
見たくないものを無理やり見せられるのは苦痛です。
情報だけを正確に伝えるほうが商売として誠実だと思います。
3. Posted by dogaB    2007年01月09日 17:59
こんにちは。

おもしろい文章ですね。
楽しく読ませていただきました。

ただ、私も正月の間ずっとテレビを見ていたのですが、説明口調のTVCMなんて見た記憶がないなぁなんて思ったものでコメントさせていただきました。
どのCMもいくつもの会議を通ってきてるんだから、そうそうつまらないCMばかりにならないんでないのかな、と希望的な意見を言ってみます。

先日のソフトバンクのCMはひどかったと思いますけどね。
4. Posted by 著者    2007年01月10日 03:20
>Komaさん
はじめまして。面白い例えですね。それに乗っかるとすると、母親は祖父に「全員の情報を派したんだろうな?」と怖い顔でいつもにらまれているので仕方なく「父親の話も・・・」になっているわけですね。
祖父とは誰か?まあ、すぐわかりますが。母親は祖父に対抗できるか問題ですね。
>moonさん
おっしゃるとおりで、ユーモアはよくてもマナーが悪いのはよくないですね。そもそもそういう態度はブランドを傷つけるのでいいことは何もないわけですけど。ただ業界も切羽詰まって世知辛い感じになってきてる気もします。
>dogaBさん
こんばんは。CM、そうですか?確かに思い出せといわれても思い出せないんですが・・・
会議を経ておもしろいCMになることもありますし、逆のことが起きることもあると思います。多数決をやってしまうと難しいこともあるようです。
実はここの決定プロセスというのも結構ポイントだと思いますね。
5. Posted by owl    2007年01月10日 05:17
はじめまして。
広告βさんのblog、共感することが多く、いつも読ませていただいています。
今回のテーマに、最近感じていることを触発され、トラバさせていただきました。ただ、広告βさんの趣旨とは、異なるのかもしれませんが…。
6. Posted by 一見さん    2007年01月10日 12:51
はじめまして。ニュースサイトからタイトルに惹かれて見にきたものです。
まさに「振り向いて足を止めてしまった」一人なわけで・・・。
最近NTT東のフレッツ光のCMに違和感を感じていたのですが、あの説明口調に合ったんですね。
7. Posted by owl    2007年01月10日 14:00
すいません、コメントをトリプルで…。
なかなかアクセスしなかったもので、反映されていないのかと思ってました。
お手数ですが、削除をお願いします。
8. Posted by 著者    2007年01月11日 02:25
>Owlさん
コメント・TBありがとうございます。
なんかコメントの反映ページが不具合みたいです。すいません。
一応、一つだけ残してコメントを削除しておきました。
>一見さん
振り向いていただきありがとうございます(笑)
ダマシCMは問題ですが、振り向きたくなるCMって、おもしろいCM・興味深いCMなので、作るほうも楽しいわけです。
そこらへんが、今後うまくいくといいんですが。

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