2007年02月02日

自分より立場が上の人をどう説得すればいいのか

仕事をしていると、現場の観点から、あるいは客観的立場にあるという理由から、
上司やお客、専門家に対して「それは明らかに違う」と思うことがあったりする。

でも、仕事上は「違いますよそれ」なんてとてもいえる雰囲気じゃなかったりして、
結局は「しょうがないか・・・」「まあいいか・・・」に収まったりする。

たとえば相手が制作職のお偉いさんだったりして、その人が基本的な事実誤認をしてたりとか、
あるいはお客さんだったりして、ありえないくらいのモラルハザードな計画を立ててたりする。
そんなとき、本当は「違うってば」といいたいのだけれど、賢いビジネスマンは
波風を立てずに「まあそれでどうなるというものじゃないし・・・」と流していくんだと思う。
これが大人の社会であると。

でも、時には使命感に駆られて、あるいは単にバカバカしいという気分から、
どうしても「それ、違いますよ、こうですよ」といいたくなるときがある。
そのときには、自分より上の人に反論することになるわけだけど、これをどうやったらいいか。

上の人に反論するのは、諌める(いさめる)とか諫言(かんげん)するとか言うけれど、
この方法に関しては素直に歴史に学ぶのがいいかと。というわけで軽くググってみた。
どうやらこのあたりが有名な手法みたいだ。


■自分が(誇張した形で)間違った人になってみる
斉の宰相、鄒忌(すうき)が、威王を諌めるときに、自分の例を出した。
(ソース:戦国策を楽しもう

■他の人の間違いとして指摘する
少年が呉王の出兵を阻止するために、虫が近視眼的である例を報告した。
(ソース:教養ガイド・人生の友・臥龍通信

■はっきりと形に表して相対化してしまう
晏子(あんし)が処刑を止めるために、あえてその詳細を言葉に出して読み上げた。
(ソース:教養ガイド・人生の友・臥龍通信

これらに共通しているのは、間違っている人を直接攻撃しないで、
間違いの例を相対化して、間違っている人に「気づかせる」ということだ。
なかなか高度なテクニックだと思うが、間違っていると言われるのではなく、
「自分で」間違ってると気づくのであれば、心理的な抵抗も低い。
これなら偉い人たちも、立場を崩さなくて済む。

こういう「諫言メソッド」をうまく進化させられれば、組織の中でひねくれずに
偉い人に対しても自分の意見をスムーズに通せるようになるのかもしれない。

そういえば、不二家とか、あるあるとか、とんでもないと批判を浴びているけど、
中の人がバカであるみたいなことを言っても現実にはあまり効果がないのかもしれない。
少なくとも、中の人が、人間的にわれわれと異なるとは思えない。
おそらく、長年続いた、あるいは職場を支配している雰囲気に勝てないんだ。
それか、上司やお客、そういったものに逆らえないがために、こうなるんだろう。
もし自分が同じ立場だったら、一人「違う」と言って通せるとは思えない。

だからこそ、優れた諫言メソッドが今求められるのではないかと思う。
「そのヤラセまずいですよ」「賞味期限切れはまずいですよ」ということはおそらく
誰かが、あるいはどの時点かで誰もが、思っていたはずだ。
それが何らかの形でつぶされて、諫言が通らないという仕組みが問題なのだろう。

ちなみにちなみに、優れた広告は謎掛けのようなものである場合が多いのだが、
おそらく「伝えるのではなく、発見させる」という諫言メソッドを用いるからだと思われる。
そのほうが、「自分で」納得する分、印象や記憶に残りやすい。
また、「自分で」納得しただけに、そのあとそれを否定するような行動もとりづらくなる。
(※このへんは「影響力の武器」という本の「一貫性」の話に詳しい)

このあたりの諫言メソッドが、実のところ企業倫理を叫ぶことよりも現実的で
重要なのではないか・・・なんて思ってみたら我ながら長文でうんざりした。完。

koukokugyokai at 01:23 │Comments(0)TrackBack(0)

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