2007年05月16日

眠れる獅子がタブーに切り込む件

最近まったく業界ウォッチしてなかったこともあり、
Mediologicさんのところで取り上げられている、日経ビジネスの
「電通が挑むメディア総力戦−眠れる獅子がタブーに切り込む」を読んだ。

記事自体については、ちょうど電通が売上高2兆円突破したというニュースの
タイミングなども絡めて、広報的なものなのだなと理解した。
Googleと絡めて書いているのは内外オヤジ層へのウケ狙いだと思われる。
(とりあえず、Web2.0もしくはGoogleと書けばいい感じなはず)

前半は電通理論であるとされる「AISAS」のアピールで、
後半はGoogle対策をきちんとやっているぞというアピールになっている。
それだけ、といえばそれだけなのかもしれないが、少し考える。

電通はもともと利権(的なもの)を独占的に押さえるために、いろいろと
早めにつばをつけて、(可能なら相手に「貸し」を作って)独占的な地位を
保つことで成長してきた企業だ。

Web的なものにそれを単純に当てはめれば、この場合は個々のサイトを
囲い込むことになるが、それは困難というか、原理的に不可能だ。
そこでずっと議論は止まってきたともいえるが、ここにきて「システム」を
囲い込むことがすなわち利権の確保であるという見地に至ったのかもしれない。

システムというのは広告配信システムのことであって、それはちょっと前の
「TVGOGO」であり、記事中の「アトラス」なのだろう。

複雑な事情はさておき、ぱっと見で感じたのは、電通なりGoogleなりが
見ている先がかなり違うなということだった。
電通はやはり「広告」を見ているのであって、その場合に気になるのは
金の出所である広告主ということになるのであり、そのあたりは
記事中にある「ネガティブな内容のところには広告掲載しない」とか、
「消費者をクッキーで追跡して広告を表示する」ところに表れている。
いかにも広告主が喜びそうな内容だ。(記事の性格上、それはそうだろうが。)

色々感じたことはまた別に書こうとは思うのだが、「電通vsGoogle」というのは
対立構造として直感的におかしいということは確かであるように思う。
Googleのやっていることは情報流通の可能性を見出すようなことであって、
その可能性の中に特定目的の最適化(検索とかメールとか?)があったり、
巨大データベースの実験的有効活用(グーグルアースとか?)だったり、
コミュニケーション(ブログとかグループとか翻訳とか?)があったりする。

その中で、ひとつの収益機会として、各々のコミュニケーションが重なる部分で
従来「広告」と呼ばれていたものに見た目に近いシステムがひとつあって
そこで現状99%の収益が構成されている、という結果論に近いと思う。
なんというか、抽象レベルにおいて電通と同じ高さにない。
出口のところで少しすれ違って「あらこんにちは」といっているような感じだ。

電通がGoogle的なものに対抗するということが意志としてどうなのかは置いても、
その場合はAISASとかトラッキングクッキーとかそういうレベルで考えるのではなくて、
企業なり個人なりそういう情報発信者がどういうふうに絡んでいくのが最適なのか、
そのなかでどのように関与することが一番効率的で効果的なのかということを
フラットに大きく考え直すということではないかと思う。
少なくとも、それは看板のアナロジーで考える「広告」ではないだろう。

広告業界はとかく個人商店になりがちで、まあ電通もそうだと思うが、
概して言えばまだ会社として経営戦略や体力があるほうだと思う。
ヨイショ記事はともかくとして、持つ力を正しく向けないと、プレイヤーとして
小さくまとまることになりはしないか・・・などとつらつら考えて、寝ることにした。

koukokugyokai at 02:50 │Comments(0)TrackBack(1)

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