2007年05月17日

最後の一歩は、相手に踏んでもらう

職人のような、自分の仕事に対して自負の大きい(プライドの高い)人に対しては、
「こうしろ」的な指示がうまくいかない場合が多いという。

その人はそれでどうするのかというと、相手に「ほのめかす」のだそうだ。
8割くらいのヒントを出し、あとはその人が発見する(した)ように操作するという。
そうすることで、相手は自分で発見したのだと感じ、プライドを害することも
あまりないということだ。

そのぐらいの絶妙なヒント出しというか、アシストの技術というものが重要だという。
それなりに一般的な手法かとは思うが、広告でもよく、その手法が使われる。

ひとつの例として、CAPE TIMESという新聞社の広告を挙げる。
前日」(ニテンイチリュウさんより)

歴史的な大事件の、前日の様子を写した、何の変哲もない一枚の写真。
コピーは隅に小さく、「世界は一日で変わりうる。毎日の綿密なニュースを見逃すな」と。

要は「毎日届けられる最新のニュースというものには、意味がある」ということだが、
その言葉だけを直接伝えたのでは、あまり印象に残らないし、覚えてもらえない。
そのために、わざわざ「前日の写真」を大写しにし、隅っこにあるコピーでほのめかし、
毎日の最新ニュースの存在意義というものを読者に「発見させる」。
普通に広告するよりも、このほうが効果がありそうなことは確かだ。

考えてみれば、自分で体験したこと、考えて見出したことは覚えていやすいが、
本で読んだこと、講義などで一方的に聞いていただけのことは忘れやすい。
一時期、広告業界ではさかんに「体験型マーケティング」ということがいわれていたが、
その体験で、自ら最後の一歩を踏んでもらうことがポイントなのだろう。

最後の一歩をわざと踏んでもらえるように、わざと一歩空けて設計する。
これは色々応用が利く技術であろう(し、応用されている)と思う。

見事に説得型のプレゼンをしても、感情的な抵抗にあってなかなかうまくいかないとか、
上司に苦言を呈するときにの効果的な方法とか、そのあたりも同じ話だろう。
(というか、ここまで書いてネタかぶってるじゃんと気づく・・・)

恋愛においても、ぎりぎり不快にならないようなところまで相手を攻撃し、
あえて相手の中に葛藤を作り出し、相手に自分のことを考えさせて、
自然と「気になる人」にさせてしまうという高等テクを使う人がいる。
(ハイレベルすぎる・・・)

ほのめかすような、微妙に情報が欠落している感じのブログに不思議と人気があるのも
もしかしたら、同じ原理なのかもしれない。

koukokugyokai at 01:55 │Comments(1)TrackBack(1)

トラックバックURL

この記事へのトラックバック

1. 自分の経験と人から得た経験  [ Stack Stock ]   2007年05月19日 14:18
最後の一歩は、相手に踏んでもらうというエントリを読んだ。自分で経験した事と誰かに...

この記事へのコメント

1. Posted by info    2007年05月17日 18:28
5 たしかに、人気のあるブログもそのような傾向がありますね。

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔