2008年01月21日

サードプレイスと収益モデル

中学生か高校生の頃だっただろうか、内田有紀が出ていた「17歳」という
ドラマを見ていた記憶がある。あまりドラマを見ないクチだが、記憶に残っている。
何が残っているかというと、そこに出ていた彼らのたまり場。(P's DINERだったか)

行くと、誰かがいて、たまり場になっている。
特に何をするというわけではない。ただ知り合いがいる。
こういうものに、強烈にあこがれた。

私の実家の近くには、空き地があった。
古い工場の跡地で、よく遊んでいた。示し合わせて行くわけではない。
これはひとつの「たまり場」だ。

もう少し大きくなってからは、ゲームセンターがたまり場になっていた。
自分の実家のあたりでは、ヨーカドーなんかもたまり場としての機能を持つ。
大学の時は、自分の家(一人暮らし先)をそうしようとして、無理だった。
年を食ったら、病院が自分にとってのたまり場になるのだろうか。
もし自分が主婦なら、習い事に行くこともたまり場の機能を持つだろう。

スケールは異なるが、いわゆる「お茶の間」も同じ構造だ。
家族団らんの価値観を前提としたお茶の間と、そこにあるテレビ。
いわばそこが「家族のたまり場」となり、CMで収益を担保した。
テレビの媒体価値というのはこのあたりと深く結びついていた。

消えてしまうたまり場もある。
空き地などは、何もお金が落ちてこないので、立ち入り禁止にしたり、
駐車場になってしまう。そうなると、たまり場の機能は失われる。
ゲームセンターも最近は苦しそうだ。病院だって、たまり場になることを
想定しているわけではないので、難しい面があるだろう。
「お茶の間」が崩壊すると、テレビも苦しくなってくる。

立ち位置は異なるが、スターバックスは「たまり場」になることを目指した。
それを社会学的には「サードプレイス」と呼ぶようである。

そして、おいしいコーヒーだけではなく、バリスタのもてなし、そして居心地のいい空間など、すべてが揃っているのです。それが「サードプレイス」です。家庭でも職場でも学校でもない3番目の場所として、ゆっくりと自分らしく過ごすことができる、まさにオアシスのような空間。あなたにとってのサードプレイス、スターバックス コーヒーでの体験は、かけがえのない1日をより豊かなものにしてくれるはずです。(Starbucks-Our sprit)

スタバは「たまり場」になっているのだろうか。なんだか違う気もする。
ところで日本における代表的なサードプレイスはなんなのだろうか。
ちなみにイギリスはパブ、フランスはカフェ、ドイツはビアガーデンらしい。

もしかしたら現代日本のそれは「2ちゃんねる」かもしれない。
行けば、そこに誰かがいる。なんとなく、知っているような人もいる。
おなじみの反応が繰り返される。何となく時間を過ごすのによい場所。
繰り出されるネタを肴に漂う場所。
ほんとうは、「Second Life」もそうなりたかったのかもしれない。

さて、サードプレイスやらたまり場を考えるとなると、収益化がポイントになる。
リアル社会におけるサードプレイスはなかなか難しい。特に都市においては
ただ人がたまっているだけの場所を無料で提供する余裕はない。
だから、飲み物なりなんなりをかませて、お金を落としてもらう必要がある。
Webだって同じだ。

いまのところ、Webの収益というのはほとんど広告モデルかアフィリエイトになっている。
2ちゃんねるは素朴に広告モデルだし、ニコニコ動画などはアフィリエイトが絡んでいる。
スターバックスで言うところの、あの高いコーヒーにあたるものはなんなのか。
それは広告かもしれないし、そうでないかもしれない。

ニコニコ動画の場合は、映像の共同閲覧&ツッコミというシステムは
きわめてお茶の間的でありながら、アフィリエイトという収益モデルについては
ヨーカドーモデルとなっている。面白い組み合わせだ。とはいえ、苦戦している。

もしかしたら新しい収益化の方法は、ゲーセンや病院や、パブをヒントに
出てくるのかもしれない。

koukokugyokai at 03:39 │Comments(3)TrackBack(4)

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1. リアルとネットを連携させた「たまり場」ビジネス考  [ Heartlogic ]   2008年01月21日 16:35
広告βさんから、サードプレイスの話。 広告β:サードプレイスと収益モデル ちょっと調べてみたら、ツタヤもそういうコンセプトを打ち出していた。 人間には、飲み・食い・眠るための「住む場所」=第一の場所生活=住むための資金を調達する「働く場所」=第二の場所そし...
広告βさんの「サードプレイスと収益モデル」というエントリー が面白いので、便乗します。 最初はコメント欄に書いちゃおうと思ったのですの..
3. 公共圏と「メディア」  [ WEB-AD SEARCH ]   2008年01月27日 22:57
広告βさん「サードプレイスと収益モデル」を拝見し、 在学時代、最も影響を受けた話についてふと思い出した。 サードプレイス・およびお茶...
4. ネスパの思い出と大魔界村  [ 代々木blog ]   2008年02月13日 01:48
広告β:サードプレイスと収益モデルhttp://app.blog.livedoor.jp/koukokugyokai/tb.cgi/51285291  上の記事を読んで、自分の「たまり場」原体験をふと思い出した。  小学4年生の頃、近所のスーパーの中に、お好み焼きとかたこ焼きとかソフトクリームを売っていて、...

この記事へのコメント

1. Posted by マチルダ    2008年01月21日 14:32
こんにちは、マチルダです。
大学でサードプレイスの研究をかじっています。

たしかに、日本におけるサードプレイスって、欧米ほど定着していないですよね。
個人的には新橋のガード下であったり、おでんの屋台であったり、そういった場所が近いのではないかと感じています。

また、最近オフィス街にオープンスペース(=サードプレイスの土台)を作ろう!と、実際丸の内・大手町あたりで試行錯誤されていますが、結局あまり利用されていない模様です。
おそらく、ここが収益化を考える上でのキーポイントなのではないか、と考えています。
リアルでも、webでも同じです。
ひとはそこにあるモノではなく、「魅力あるコミュニティ」に価値を見いだしていて、そこに対価を支払うのですから。
2. Posted by lily    2008年01月22日 15:39
みんな外に出たくないのかい?
3. Posted by 広告β    2008年02月04日 01:07
>マチルダさん

こんにちは。返事が遅れました。
サードプレイスについて私は素人ですが、この種のものはかなり特殊な要素を持っていると考えています。

ひとつは、狙って作ることがかなり難しいものであること。つまり、設計という概念とあまりなじまない。

もうひとつは、ニーズとして消費者に聞いても、あまり出てこない(純粋想起されない)ことです。たしかに皆「魅力あるコミュニティ」を求めているのですが、それをあまり自覚しておらず、ニーズとしてはモノの性格(スペックとか)が出てくるのです。ここにねじれがあります。

このあたり、もう少し思うことがあるので、また書いてみようと思います。

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