2008年02月05日
神様に競争を投げ返す
よくあるキャンペーンとして、「限定○○様!」というものがある。
説明として、よく言われるのは、限られたものに人間は弱いということ。
違う説明を考えた。それは「選択権ゲーム」。
商売においては、選択権ゲームがとても重要である。
つまるところ、取引において選択権を持っている方が勝つ、そういうゲームだ。
たとえば、合コンで、男4、女1だったらどうだろうか。
大学の男女比が、9:1だったら。
選択権を持っている方が有利になる。
企業対企業は、このゲームの典型的な舞台だ。
合い見積もり。競合プレゼン。相手に選択権がある。
こちらは大勢(競合他社を含む)、向こうは一人だ。
程度の差はあれど、競争に勝つために不利な条件をのんでいく。
ビジネスにおける選択権は、価格決定権に近い。場合によっては、値下げ合戦になる。
「いや、それなら結構です。私は帰ります」
それが言えたらどんなによいことか。
ぐっとこらえて、引きつった顔で「わかりました」と言う。
選択権ゲームの地獄は終わらない。
腹立たしい選択権ゲーム。ひっくり返す方法がないわけではない。
そのためにはルールを知らなくてはならない。
基本ルールは、「競争にさらされている方が負ける」というものだ。それだけ。
ここを起点にして、勝利の方法を考える。
ひとつめは、こちら側に発生してしまっている競争を止める方法だ。たとえば、降りる。
競争をやめる方法としては、談合もある。自発的に競争を無効にする。
一段偉い人に競争を無効にしてもらう手もある。いわゆる参入規制だ。
でも、これらは打ち手として現実的でない。そんなことができることはまれだ。
現実的には、オリジナルな、ニッチなマーケットに身を置いて差別化する方法がある。
この場にいるのは自分だけ。ならば、誰との競争にもならない。ポジショニングだ。
現実に取り得る手段としては、競争を回避する割と有効な手段だろう。
ただ、一人っきりの自分の所にお客さんは来るか。そのあたりは賭けだ。
自分に発生している競争を無効化するだけではない。
一人っきりのはずの、相手に競争を発生させるという手もありうる。
相手の「一人」を崩す作戦を考える。
実際のところ、別の状況においては、相手も競争状態にある。
今現在こそ相手が発注者だが、別のタイミングでは相手も受注者のことがある。
神様であるお客様だって、別のタイミングでは別の神様にひれ伏しているのだ。
もちろん、そのときの発注者は我々ではない。だから、あまり気づかない。
その競争を無理矢理、この場に持ってくるという手はないだろうか。
「○○人に支持されています」「○○%が支持しています」。
これは、遠回しに、相手に競争状態を投げ返す一言だ。
相手と同じ立場の、第三者の支持を入れて、仮想の競争状態を作り出す。
実はあなたたちは競争状態なんですよ、○○人(%)が支持しているんですよ。
「限定○○様!」冒頭に挙げたこの一言はより直接的だ。
相手を無理矢理限定してしまうことで、相手側に競争を発生させる。
いわゆる「デファクト・スタンダード」もこの原理で説明ができる。
Microsoft Office。顧客は競争にさらされている。
買わなくても結構です、でも競合は使ってますよ、あなたのお客さんも使ってますよ?
相手に競争を投げ返す。
強いブランドがある商品、強いブランドの企業。
スペックや価格ではない、それには変えられない価値を感じさせる。
その舞台には、競合がいない。文字通りオンリーワンだ。
こういう場合は、顧客に競争が起きる。
マーケティングはある種、自分の所に起きている競争を無効化し、
相手の所に積極的に競争を発生させる、選択権を減らす発想でできているといえる。
相手が唯我独尊、「俺は俺だもんね」な場合はなかなか難しい。
マーケティング上は、お客さんが周りを気にして、同調圧力で動くとやりやすい。
そのような構造が崩れはじめた昨今は、マーケティングが効かないとか言われる。
でも、BtoBな商売では、まだまだ有効だと思う。
嫌な一言をいう担当者から見れば、確かにこちらに選択権はない。
でも、よーく見てみる。その担当者は、部長を軸にして、別の担当者と競争状態にある。
そのあたり、うまく生かせないか。別の企業の担当者を競争に巻き込めないか。
「顧客志向」によるタダ働き、クレームによる疲弊。
顧客志向が悪いわけでもない。それは避けられない。お客様は神様だ。
楽してお金が儲かることは多くない。お金を稼ぐのは確かに大変だ。
ただし、お客様にも競争してもらおうじゃないか。神様は競争してはいけないか?
うまくいっている会社は、顧客の競争構造を利用している。
顧客のライバルは誰なのか。顧客の、さらに顧客から見た競争構造。
クライアントから帰る途中に、なんだかそんなことを考えてしまう。
説明として、よく言われるのは、限られたものに人間は弱いということ。
違う説明を考えた。それは「選択権ゲーム」。
商売においては、選択権ゲームがとても重要である。
つまるところ、取引において選択権を持っている方が勝つ、そういうゲームだ。
たとえば、合コンで、男4、女1だったらどうだろうか。
大学の男女比が、9:1だったら。
選択権を持っている方が有利になる。
企業対企業は、このゲームの典型的な舞台だ。
合い見積もり。競合プレゼン。相手に選択権がある。
こちらは大勢(競合他社を含む)、向こうは一人だ。
程度の差はあれど、競争に勝つために不利な条件をのんでいく。
ビジネスにおける選択権は、価格決定権に近い。場合によっては、値下げ合戦になる。
「いや、それなら結構です。私は帰ります」
それが言えたらどんなによいことか。
ぐっとこらえて、引きつった顔で「わかりました」と言う。
選択権ゲームの地獄は終わらない。
腹立たしい選択権ゲーム。ひっくり返す方法がないわけではない。
そのためにはルールを知らなくてはならない。
基本ルールは、「競争にさらされている方が負ける」というものだ。それだけ。
ここを起点にして、勝利の方法を考える。
ひとつめは、こちら側に発生してしまっている競争を止める方法だ。たとえば、降りる。
競争をやめる方法としては、談合もある。自発的に競争を無効にする。
一段偉い人に競争を無効にしてもらう手もある。いわゆる参入規制だ。
でも、これらは打ち手として現実的でない。そんなことができることはまれだ。
現実的には、オリジナルな、ニッチなマーケットに身を置いて差別化する方法がある。
この場にいるのは自分だけ。ならば、誰との競争にもならない。ポジショニングだ。
現実に取り得る手段としては、競争を回避する割と有効な手段だろう。
ただ、一人っきりの自分の所にお客さんは来るか。そのあたりは賭けだ。
自分に発生している競争を無効化するだけではない。
一人っきりのはずの、相手に競争を発生させるという手もありうる。
相手の「一人」を崩す作戦を考える。
実際のところ、別の状況においては、相手も競争状態にある。
今現在こそ相手が発注者だが、別のタイミングでは相手も受注者のことがある。
神様であるお客様だって、別のタイミングでは別の神様にひれ伏しているのだ。
もちろん、そのときの発注者は我々ではない。だから、あまり気づかない。
その競争を無理矢理、この場に持ってくるという手はないだろうか。
「○○人に支持されています」「○○%が支持しています」。
これは、遠回しに、相手に競争状態を投げ返す一言だ。
相手と同じ立場の、第三者の支持を入れて、仮想の競争状態を作り出す。
実はあなたたちは競争状態なんですよ、○○人(%)が支持しているんですよ。
「限定○○様!」冒頭に挙げたこの一言はより直接的だ。
相手を無理矢理限定してしまうことで、相手側に競争を発生させる。
いわゆる「デファクト・スタンダード」もこの原理で説明ができる。
Microsoft Office。顧客は競争にさらされている。
買わなくても結構です、でも競合は使ってますよ、あなたのお客さんも使ってますよ?
相手に競争を投げ返す。
強いブランドがある商品、強いブランドの企業。
スペックや価格ではない、それには変えられない価値を感じさせる。
その舞台には、競合がいない。文字通りオンリーワンだ。
こういう場合は、顧客に競争が起きる。
マーケティングはある種、自分の所に起きている競争を無効化し、
相手の所に積極的に競争を発生させる、選択権を減らす発想でできているといえる。
相手が唯我独尊、「俺は俺だもんね」な場合はなかなか難しい。
マーケティング上は、お客さんが周りを気にして、同調圧力で動くとやりやすい。
そのような構造が崩れはじめた昨今は、マーケティングが効かないとか言われる。
でも、BtoBな商売では、まだまだ有効だと思う。
嫌な一言をいう担当者から見れば、確かにこちらに選択権はない。
でも、よーく見てみる。その担当者は、部長を軸にして、別の担当者と競争状態にある。
そのあたり、うまく生かせないか。別の企業の担当者を競争に巻き込めないか。
「顧客志向」によるタダ働き、クレームによる疲弊。
顧客志向が悪いわけでもない。それは避けられない。お客様は神様だ。
楽してお金が儲かることは多くない。お金を稼ぐのは確かに大変だ。
ただし、お客様にも競争してもらおうじゃないか。神様は競争してはいけないか?
うまくいっている会社は、顧客の競争構造を利用している。
顧客のライバルは誰なのか。顧客の、さらに顧客から見た競争構造。
クライアントから帰る途中に、なんだかそんなことを考えてしまう。
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この記事へのコメント
1. Posted by
lilac
2008年02月05日 14:58
おたくの商品いいですよねー。ええ、ええ。実はB社の商材のプロモーション、うちが手がけてるんですよ。内緒ですよ?ここだけの話ですが。あのときは1ヶ月のキャンペーンとTV、ランディングサイトで700万だったかなぁ。ええ、独り言です、はい(笑)。もちろんB社の話をするなんて御社の規模では大変失礼な話ですよねー。いろんな手法はありますからねー。
・・・で、御社の今回のキャンペーンの予算、どう考えられてます?
なんて会話を妄想しました。
・・・で、御社の今回のキャンペーンの予算、どう考えられてます?
なんて会話を妄想しました。
2. Posted by
Life2.0
2008年02月05日 15:25
↑のコメントに同意!
広告ビジネスは基本的にBtoBですので、
こんな駆け引きが成立しますよね。
新たな取り組みがポコポコ出てきている今にピッタリの戦略かも知れません。
広告ビジネスは基本的にBtoBですので、
こんな駆け引きが成立しますよね。
新たな取り組みがポコポコ出てきている今にピッタリの戦略かも知れません。
3. Posted by
著者(広告β)
2008年02月08日 02:53
そうなんですよね。BtoBビジネスなんですよね、これがよく効くのは。
BtoCに関して言えば、消費者同士が割とつながっていく方向に世の中が動いていますから、競争を生み出す戦略は難しくなるのかもしれません。
契約的価値観においては、相手も多、こちらも多、の中で、たがいに納得のいく選択肢を模索するわけです。顧客を操る、なんて必要はないと思いますが、きちんと契約が機能するところまでは持って行きたいですね。
BtoCに関して言えば、消費者同士が割とつながっていく方向に世の中が動いていますから、競争を生み出す戦略は難しくなるのかもしれません。
契約的価値観においては、相手も多、こちらも多、の中で、たがいに納得のいく選択肢を模索するわけです。顧客を操る、なんて必要はないと思いますが、きちんと契約が機能するところまでは持って行きたいですね。

