2008年02月08日
「生活者」とは何だったのか
マーケティングの基本フレームに「3C」というものがある。
Company(自社)、Competitor(競合)、Consumer(消費者)。
もし自分がそれを書き換えて良いならば、
ここにあとふたつの「C」を加えてみたい。
ひとつは、コミュニケーション(Communication)。
もうひとつは、コミットメント(Commitment)。
どちらも、買った後に、消費者が広げていく世界のことだ。
この二つのCを失いつつある典型的な例がある。
自動車におけるジャンル、「スポーツカー」。
スポーツカーが若者に人気だった頃、それはコミュニケーションを生んでいた。
それについて男子が語り合った。それはナンパの道具にもなった。
スポーツカーが若者に人気だった頃、それはコミットメントを生んでいた。
マニュアルシフトを操ること。エンジンルームを開ければ、その仕組みがわかること。
スポーツカーは進化した。しかしそこで起きたことは、消費者の疎外だった。
進化しすぎて、ブラックボックスが大きくなった。手軽にいじるなんて無理になった。
コアなユーザーを除いて、スポーツカーはコミュニケーションも生まなくなったし、
コミットメントを生み出すことも難しいものになった。
では、いまどんな車が売れているのだろう?ミニバンだ。
ミニバンには従来と違う形の、コミュニケーションとコミットメントがある。
それを通じて、家族がコミュニケーションをとる。友人同士で出かける。
本当に出かけなくてもよい。その可能性を残しておくことが重要だ。
そういえば、大ヒットしたミニバン「ステップワゴン」のコピーを思い出す。
「子供と一緒にどこ行こう?」
日産GT-Rが発売された。とんでもないスポーツカーらしい。
「すべての人に高性能を」。運転は実に簡単らしい。
さて、どんなコミュニケーシュンを生んでくれるのだろうか。
ユーザーは、どのようにコミットメントしていくのだろうか。
「ユーザーが多様化しました。大ヒットは無理でしょう。」
それは半分ウソに違いない。
多様化した商品に消費者が付き合わされているという側面が、もう半分だ。
もちろん、多様化だって悪いことばかりではない。
でも、コミュニケーションとコミットメント、それを忘れれば「ニッチ」になるだけだ。
重要なことはなんだろうか。
いったん、当たり前のことを考え直す必要がある。
消費は最終目的地ではなく、中間経由地だということ。
なのに「3C」には、買った後の話が全く出てこないのだ。
人はドリルが欲しいのではなく、穴が欲しい。間違いない。
しかしそれだけではない。その穴は、日曜大工というちょっとした趣味の
一部になりうるし、娘の喜ぶ顔を生むための装置でもある。
ドリルを買うという行為は、長い長い物語の、一部であるということだろう。
3C分析から生まれた「全自動ドリル」は、コミットメントとコミュニケーションを生むだろうか。
自分で悪戦苦闘しつつ、操作に習熟していく趣味の広がりはあるだろうか。
つまみをひねって手を添えるだけの全自動ドリルに、娘は感動するだろうか。
すぐれたマーケター、すぐれたUIデザイナー、すぐれたWebデザイナー。
結局のところ、彼らの視線は、「市場」だけでもなく「消費者」だけでもなく、
「人間」という本質に向かっている。全体で捉える視点で、より遠くに飛ぶこと。
「消費者」ではなく「生活者」と呼ぶことの本質は、そのあたりにあると思っている。
Company(自社)、Competitor(競合)、Consumer(消費者)。
もし自分がそれを書き換えて良いならば、
ここにあとふたつの「C」を加えてみたい。
ひとつは、コミュニケーション(Communication)。
もうひとつは、コミットメント(Commitment)。
どちらも、買った後に、消費者が広げていく世界のことだ。
この二つのCを失いつつある典型的な例がある。
自動車におけるジャンル、「スポーツカー」。
スポーツカーが若者に人気だった頃、それはコミュニケーションを生んでいた。
それについて男子が語り合った。それはナンパの道具にもなった。
スポーツカーが若者に人気だった頃、それはコミットメントを生んでいた。
マニュアルシフトを操ること。エンジンルームを開ければ、その仕組みがわかること。
スポーツカーは進化した。しかしそこで起きたことは、消費者の疎外だった。
進化しすぎて、ブラックボックスが大きくなった。手軽にいじるなんて無理になった。
コアなユーザーを除いて、スポーツカーはコミュニケーションも生まなくなったし、
コミットメントを生み出すことも難しいものになった。
では、いまどんな車が売れているのだろう?ミニバンだ。
ミニバンには従来と違う形の、コミュニケーションとコミットメントがある。
それを通じて、家族がコミュニケーションをとる。友人同士で出かける。
本当に出かけなくてもよい。その可能性を残しておくことが重要だ。
そういえば、大ヒットしたミニバン「ステップワゴン」のコピーを思い出す。
「子供と一緒にどこ行こう?」
日産GT-Rが発売された。とんでもないスポーツカーらしい。
「すべての人に高性能を」。運転は実に簡単らしい。
さて、どんなコミュニケーシュンを生んでくれるのだろうか。
ユーザーは、どのようにコミットメントしていくのだろうか。
「ユーザーが多様化しました。大ヒットは無理でしょう。」
それは半分ウソに違いない。
多様化した商品に消費者が付き合わされているという側面が、もう半分だ。
もちろん、多様化だって悪いことばかりではない。
でも、コミュニケーションとコミットメント、それを忘れれば「ニッチ」になるだけだ。
重要なことはなんだろうか。
いったん、当たり前のことを考え直す必要がある。
消費は最終目的地ではなく、中間経由地だということ。
なのに「3C」には、買った後の話が全く出てこないのだ。
人はドリルが欲しいのではなく、穴が欲しい。間違いない。
しかしそれだけではない。その穴は、日曜大工というちょっとした趣味の
一部になりうるし、娘の喜ぶ顔を生むための装置でもある。
ドリルを買うという行為は、長い長い物語の、一部であるということだろう。
3C分析から生まれた「全自動ドリル」は、コミットメントとコミュニケーションを生むだろうか。
自分で悪戦苦闘しつつ、操作に習熟していく趣味の広がりはあるだろうか。
つまみをひねって手を添えるだけの全自動ドリルに、娘は感動するだろうか。
すぐれたマーケター、すぐれたUIデザイナー、すぐれたWebデザイナー。
結局のところ、彼らの視線は、「市場」だけでもなく「消費者」だけでもなく、
「人間」という本質に向かっている。全体で捉える視点で、より遠くに飛ぶこと。
「消費者」ではなく「生活者」と呼ぶことの本質は、そのあたりにあると思っている。
トラックバックURL
この記事へのトラックバック
1. [communication]備忘録 [ コミュニケーションのカタチが変わるということ 2nd ] 2008年02月12日 17:43
もちろん、多様化だって悪いことばかりではない。 でも、コミュニケーションとコミットメント、それを忘れれば「ニッチ」になるだけだ。 広告β:「生活者」とは何だったのか 広告βさんのエントリーが壮絶なので、何の芸も無く引用エントリー。 つまらない追記を許さないよ
2. 僕がニコニコ動画「的」なものにこだわる理由02...コンテクストのつくりやすさ [ Life2.0 ] 2008年02月13日 00:50
「ニコニコ動画『的』なものを引き合いに、今後のプランニングに
必要になってくるものを考えるシリーズ!」(長いなw)、
前回から引き続??.
3. 生活者インサイトの本質 [ イケダノリユキのCommunitainment Blog ] 2008年02月14日 09:52
広告βさんの「生活者とは何だったのか」エントリに激しく同意。 マーケティングや広
4. 人間を見失った人間 [ 深澤裕から始まるビジネス革命 ] 2008年02月17日 12:33
昨日とは打って変わってお堅い話を(笑)
さて、3C分析というものをご存知でしょうか??
これは、企業の事業環境分析や企画立案において定番とされている手法で、以下の3つの点から分析を行いそれを事業戦略や商品開発などに活かす手法のことです。
1.市場(custom...
この記事へのコメント
1. Posted by nnn
2008年02月23日 13:16
少し前からこちらのブログを読ませてもらってます。頭の弱い大学生なので内容の理解に時間がかかることもありますが、とても刺激的でついつい読みふけってしまいます。
僕の彼女も「そんなこと言わせてごめんね。」って言って抱きしめる派です。僕はそんなこと思いつきもしませんでしたw
また、ちょくちょく足を運ばせてもらいます。失礼します。

