2008年03月25日

もうひとつの検索

「(あなたの)好みの人はどんな人?」

合コン序盤戦でもよく聞く、定番の質問。
これに対して「自分が好きになった人」、と、禅問答のような回答も
見かけたりはするのだが、ほとんどの人が何らかの内容を即答してくる。
しかし次の問いはけっこう難しい。

「あなたを好んでいる人はどんな人?」


就職シーズン真っ盛りだ。
思えば、就職活動当時、自分が入りたい会社はなんとなくあっても、
自分を求めている会社がどこなのかはさっぱりわからなかった。
最近なら、高性能なジョブマッチングサービスなどがあったりするのだろうか。

たとえば、新商品のオリエンを受ける。想定ターゲットは20代女性。
まあ、そうなのかもしれない。ただ、本当かどうかはわからない。
わかるのは、開発陣はそういうつもりで作った、ということだけだ。
この商品は本当は誰に求められうるのだろうか?

あるいは、ある技術が、誰に必要とされているか。
破壊的なイノベーションも、ありがちな技術の組み合わせで起きたりする。
ある領域では常識的な技術や考え方を、別領域に応用すること。
そのとき、「技術」と「求められている場」を交配させたのは誰だろうか。
技術自体は、それが誰に求められているかに対して何かを語ってはいないはず。

サイトを、ブログを持っている人なら、ある種、もう一つの検索を楽しんでいる。
アクセス解析だ。「目的地」に立ち、どこから人々が来たのかを眺める。
見方によっては、トンネルの逆側から検索する行為とも言えるかもしれない。
自分がどんな人、あるいは誰に求められているかが、何となくわかるのは面白い。

「検索」のつながりが、完全に双方向になったとき。
そのとき何かが変わるんじゃないかと思う。でも、なかなか難しそうだ。
「私を好んでいる人はどんな人ですか?」
10年もしないうちに、逆向きの検索は実装されるのだろうか。

ところで、お見合いにおいては「お見合いおばちゃん」が重要なのだという。
幾多の縁を取り結んでいるお見合いおばちゃん、彼女に良い印象を与えること。
誠実な態度で対応することから、とりあえず紹介されたら(彼女のメンツのために)会ってみるまで。
そういうことが、彼女をして、いい人を紹介する(してもらう)ことにつながっていくのだと。

仕事や転職などでも、本で見るのは先輩などを通じた出会いだったりする。
自分のことをよく知っていて、適切なタイミングで助言をしてくれる人(チャンピオン)。
こういった人も、ある種の「お見合いおばちゃん」みたいなものだろう。
複雑な物事をつないでいく逆堀りの検索エンジンが、リアル世界には存在する。

最近の検索エンジンの進歩はすごい。曖昧な検索も精度高く返してくれる。
そのうち、「腹減った」と入れれば、出前がヒットするようになるだろう。
しかし、出前が誰に求められているか、意外と検索エンジンは返してくれない。
逆向きの、複雑な物事はまだ、「誰か」がつないでいる。
今日も、どこかに何かの「お見合いおばちゃん」がうろうろしているはずだ。

koukokugyokai at 01:34 │Comments(4)TrackBack(0)

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この記事へのコメント

1. Posted by 通りすがり    2008年03月25日 11:59
逆向き論、非常に示唆に富んでいて刺激されました。

オートマお見合いばあちゃんが次のシードなんでしょうか・・・
2. Posted by Elise    2008年03月29日 00:46
Yahoo!とGoogleが2トップ(日本では?)ということを読んだことがあります。
その大きな違いは、Yahoo!は、結局人間がコンピューターに優るという考え。Googleは、コンピューターが人間に優るという考え。と書いてありました。

捜索エンジンで「腹減った」で、出前というのはやっぱり人間を通してでないと、出来ない気がします。
そして、出来なくてよいのでは?と。

失業率の問題等を考えると、コンピューターの発達はすばらしいものであるけれど、Yahoo!に勝ってほしいな、なんて個人的に思います。
長々と失礼致しました。
3. Posted by シア    2008年03月31日 09:32
5 もうひとつの検索・・・
ブログ(自分)に置き換えて表現すると分かりやすいですねぇ
4. Posted by 著者(広告β)    2008年04月09日 01:58
>通りすがりの方
こんにちは。逆向きは、かなり難易度が高いと思います。このあたり、現実にはお見合いおばちゃん以外にも、フィクサーなどいますよね。

>Eliseさん
YahooとGoogleの話、私も聞いたことがあります。まあ、腹減ったで出前、というのはけっこう不気味ですよね。でも実現したら意外と慣れちゃうかも知れません。仕事は・・・あれですね、私もコンピューターに仕事を今奪われそうなのでアレですね(笑)

>シアさん
コメントありがとうございます。何かに例えると書きやすいです。外すこともありますが・・

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