2008年04月20日
ケータイ市場に学ぶ
携帯電話の機種変更を久しぶりにしようとして驚いた。携帯電話が高くなっている。私の記憶では「携帯電話=0円」という発想だったのだが、今のキャリア(ソフトバンク)では必ずしもそういう感じではなくなっているようだ。友人にそれを言ったら「古い」と笑われたが、まあそういうものらしい。
ところで、ずっと放置していた料金プランも含め色々と見直しながらWebを徘徊していたのだが、携帯電話における「囲い込んでカネを取る」知識はすごいな、と思った。単発の、文脈と切り離された商品購買とは別に、世の中には囲い込み系と呼ぶべきビジネス領域がある。メモリースティックやitunes、ポイントカードなども似たようなものだが、業界の参入障壁から端末、料金プラン、課金制度まで含めていろいろ手だてがそろっている携帯電話は、この手のビジネス知識の見本市のようだ。
で、いろいろ見ていて、こんなニュースを目にした。
これを本気でやったら、携帯電話ビジネスが大分変わるんじゃないかと思う。携帯電話業界はソフトバンク参入以降変わったように見えて、そんなに変わっていない。何が変わっていないかというと、流動性を低いままにしておくことで、業界全体の収益性を保つ、という点だ。もちろんMNPがあって流動性は少し変わったかも知れないけれど、メルアドが変わってしまうことが実質的にそれを妨げていると思う。
で、なんで複雑さの解消が重要なのかというと、こういうデータを見たからである。
携帯電話の戦略というのは、いかに現ユーザーを縛り付けておいて、新ユーザーを甘い言葉で取り込むかということに尽きる。たとえばソフトバンクでいうと、新スーパーボーナス(ローンで端末を買う制度)は現ユーザーを縛るためのものだ。「他社発表から24時間以内に値下げする」、などの公約は新ユーザーを取り込むための甘い言葉のひとつだ。
そして複雑な料金プランに関しては、現ユーザーの縛り付けに加えて、安直なユーザーからお金をより取る施策も兼ねている。たとえば「○○が3ヶ月無料!」とか、そのたぐいだ。これは最初無料にしておいて、忘れた頃に料金が発生する。人間が忘れやすいことを利用したプランの組み方だ。何も嘘はついていないのだが、結果として高収益がねらえる。こういう役割を持った複雑なプランが禁止されると、痛手は大きくなるかもしれない。
そういえば、かつてケータイサイトの話で、「PCサイトに比べて遙かに課金がラク」と聞いたことがある。ひとつは課金のシステムが出来ていて、サービス月100円など徴収することが簡単だという話なのだが、それ以外に、ケータイでは特に若者向け課金がラクらしい。聞くに、親が料金を支払っている場合、そういった課金をあまり気にしていないからだという(要はあんまり明細を見てない)。
道義的にはともかく、携帯電話のビジネスには学べる(?)ところがたくさんある。人間の面倒くさがる気持ちを利用して、複雑なプランを用意し、結果として流動性を低めてビジネス全体を守る。そのうえで、人間の忘れっぽさを利用して、安そうなプランを提示し、毎月の利用料から時間をかけて儲ける。料金プランを作ったり、店舗へのインセンティブを設計したり、広報関連でメッセージを発したりしている人は、かなりの切れ者に違いない。
私は簡単に見てみただけだが、ちゃんと調べれば、ほかにもいろいろと知恵がころがっていることだろう。今後の推移も含めて、携帯電話業界はかなり熱くなりそうだ。
ところで、ずっと放置していた料金プランも含め色々と見直しながらWebを徘徊していたのだが、携帯電話における「囲い込んでカネを取る」知識はすごいな、と思った。単発の、文脈と切り離された商品購買とは別に、世の中には囲い込み系と呼ぶべきビジネス領域がある。メモリースティックやitunes、ポイントカードなども似たようなものだが、業界の参入障壁から端末、料金プラン、課金制度まで含めていろいろ手だてがそろっている携帯電話は、この手のビジネス知識の見本市のようだ。
で、いろいろ見ていて、こんなニュースを目にした。
携帯電話やネット接続サービスで通信事業者各社の料金設定が複雑化し、利用者に分かりづらいと不評だ。総務省は18日、各社のサービスを簡単に比較できるシステム構築などを議論する有識者懇談会を設置すると発表した。 例えば携帯電話サービスには、各社にさまざまな割引プランがある。ただ、長期の契約が求められたり、割引適用に複雑な条件が付けられるなど、利用者はどのサービスが一番自分に適しているのか分かりづらいのが実情だ。(MSN産経ニュース)
これを本気でやったら、携帯電話ビジネスが大分変わるんじゃないかと思う。携帯電話業界はソフトバンク参入以降変わったように見えて、そんなに変わっていない。何が変わっていないかというと、流動性を低いままにしておくことで、業界全体の収益性を保つ、という点だ。もちろんMNPがあって流動性は少し変わったかも知れないけれど、メルアドが変わってしまうことが実質的にそれを妨げていると思う。
で、なんで複雑さの解消が重要なのかというと、こういうデータを見たからである。
乗り換え自体の人数はじょじょに減少傾向にあるが、2007年6月〜11月の半年間に携帯電話を「乗り換えた」人は、携帯電話ユーザのうちの4.2%に留まった。一方で「乗り換えを検討したが乗り換えなかった」人はその約3倍(12.0%)もいたことが明らかになった。乗り換えなかった理由としてもっとも多いのは「乗り換えの手続きが面倒だから」で32.4%、次に多かったのは「メールアドレスが使えなくなるから」で29.8%、「現在のポイントや特典が使えなくなるから」で26.2%となった。また「料金プランが複雑でよくわからないから」(25.7%)、「乗り換えにかかる費用が高いから」(24.5%)も多くの人が指摘している。(RBB TODAY)
携帯電話の戦略というのは、いかに現ユーザーを縛り付けておいて、新ユーザーを甘い言葉で取り込むかということに尽きる。たとえばソフトバンクでいうと、新スーパーボーナス(ローンで端末を買う制度)は現ユーザーを縛るためのものだ。「他社発表から24時間以内に値下げする」、などの公約は新ユーザーを取り込むための甘い言葉のひとつだ。
そして複雑な料金プランに関しては、現ユーザーの縛り付けに加えて、安直なユーザーからお金をより取る施策も兼ねている。たとえば「○○が3ヶ月無料!」とか、そのたぐいだ。これは最初無料にしておいて、忘れた頃に料金が発生する。人間が忘れやすいことを利用したプランの組み方だ。何も嘘はついていないのだが、結果として高収益がねらえる。こういう役割を持った複雑なプランが禁止されると、痛手は大きくなるかもしれない。
そういえば、かつてケータイサイトの話で、「PCサイトに比べて遙かに課金がラク」と聞いたことがある。ひとつは課金のシステムが出来ていて、サービス月100円など徴収することが簡単だという話なのだが、それ以外に、ケータイでは特に若者向け課金がラクらしい。聞くに、親が料金を支払っている場合、そういった課金をあまり気にしていないからだという(要はあんまり明細を見てない)。
道義的にはともかく、携帯電話のビジネスには学べる(?)ところがたくさんある。人間の面倒くさがる気持ちを利用して、複雑なプランを用意し、結果として流動性を低めてビジネス全体を守る。そのうえで、人間の忘れっぽさを利用して、安そうなプランを提示し、毎月の利用料から時間をかけて儲ける。料金プランを作ったり、店舗へのインセンティブを設計したり、広報関連でメッセージを発したりしている人は、かなりの切れ者に違いない。
私は簡単に見てみただけだが、ちゃんと調べれば、ほかにもいろいろと知恵がころがっていることだろう。今後の推移も含めて、携帯電話業界はかなり熱くなりそうだ。
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この記事へのコメント
1. Posted by chate
2008年04月20日 22:10
昨日、ドコモに「「新ドコモ宣言」の既存・長期顧客重視のマーケティング戦略」とかいいながら「静かにi-mode値上げ」ってのはどう考えてもおかしくない?ってメールを送ったら、僕の文句は一切無視して、値上げの理由の妥当性を延々書いたプレスリリースのコピペみたいなメールが返ってきました。
返ってきたのは意外でしたが、こんなメールなら返さないでいいよ(返信くれなんて書かなかったし)と思いました。。。
返ってきたのは意外でしたが、こんなメールなら返さないでいいよ(返信くれなんて書かなかったし)と思いました。。。

