2008年06月18日

ウェブの景観問題

高いところから都市をみていると、「おや?」と思うような風景が目につく。

東京の、品川駅前。しばらく前に再開発され、高層ビルが林立している。けれども奇妙なことに、それぞれの高さはほとんど同じで、巨大な壁が立ちはだかっているように見える。もちろん、ビル事業者が小粋にデザインをそろえたわけではない。そもそも小粋ではないし。

同様に、高いところから都市を眺めると、マンション構想部分がナナメに切り立っていることがある。そして、よーくみると、そのナナメのラインはその界隈で揃っており、共有されている。そこには見えないラインがあって、そこを誰もはみ出さないようになっている。もちろん、みんなで「ここにラインを引くとかっこいい」と決めたわけではない。

品川駅前のビルが高さをそろえるのは、航空法があるからだ。羽田空港に品川はやや近いので、高さ約150mの上限がある。マンションの上部がナナメになるのは、斜線制限によるものだ。都市を高いところから観察すると、その手のルールによる、いろいろな形が見えてくる。

ウェブ全体が都市だとすると、そこはどんな風景なのだろう。たまに見る、アイカメラの視点移動記録や、サーモグラフィみたいな世界だろうか。それとも、太い線や細い線がトラフィックとして描かれる風景だろうか。いずれにせよ、重要なのは、そこに描かれた結果自体ではない。そこには高いビルを建てたい建築業者のような存在がいて、斜線規制や高さ規制があるのだろう。

どういうモチベーションがあり、そこに対してどんなルールが働いたのか。

150mにそろった壁ビルや、不格好に並ぶナナメのマンションを「景観が悪い」と批判するのは自由だ。でも、それはどうしてできたのか?伸びよう、伸びようとする建設者の心に、建設基準法がかけ合わさる。もちろん、結果をみて美醜を語ることはできる。しかし、感想から改善案が生まれるかというと、それは難しい気がする。

都市でいうなら、単純に「高さ規制」を加えるのは、手法としてうまくないと思う。結果だけを見て、そこに感想が出て、逐一なんとかしようとする。そうするとどうしても、場当たり的にならざるを得ない。しかし、伸びようとする意志は健在だ。結果、どこかにひずみが出る。仮に高さ上限が厳しく決まれば利用空間が減り、地価が上昇し、居住者は減る。その結果、他の地域に比べて(事業者から見た)競争力は落ちることもある。

ウェブ(の風景)でも似たようなことは、起きているだろうか、どうだろうか。サービスを開発するときに、起きた現象に対して逐一手を打つこと。それが、無理くり「高さ規制」を導入しているのと同じだとしたら。

どこか風通しのよい、高い場所にたって、上から眺めてみる。そういうことをたまにはやってみるべきなのかもしれない。

koukokugyokai at 02:13 │Comments(0)TrackBack(0)

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